【医師が解説】発熱時の対処法

2026.01.23

毎年冬になると、発熱で悩む方が増えます。
私も年末は決まって発熱を伴う体調不良に見舞われ、熱の下げ方や食事、受診の判断などに悩みながら、体調管理の難しさを痛感します。
今回はそんな辛い思いを少しでも早く解消するため、医師への取材をもとに発熱時の対応をご紹介します。

※記載内容は一般的な医学的見解に基づくものであり、症状や体調により対応が異なる場合があります。
不安がある場合は医療機関へご相談ください。

今回お話をお伺いした人

森ノ宮医療大学学長/医師 青木 元邦 先生

大阪大学医学部卒、医学博士。専門は循環器学、老年病医学、分子生物学。大阪大学医学部附属病院、米国ハーバード大学医学部ブリガム&ウイメンズ病院などに勤務後、大阪大学大学院医学系研究科准教授、森ノ宮医療大学保健医療学部教授を経て、2021年4月より現職。

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発熱は身体の防御反応

発熱というと「病原体が熱を出している」と思われがちですが、実は違います。
体内で産生されたサイトカインという物質が、侵入した病原体と戦うために体温を上げる指示を出しているのです。

体温が上がることで免疫機構が活性化し、病原体の増殖も衰えるため、発熱そのものは合理的な生理反応で、必ずしも悪いものではありません。
ある研究によると、病原体は約37℃で最も活発に増殖し、39~40℃の環境ではほとんど増殖できなくなったそうです。

発熱する子ども

・ぐったりせず元気がある
・水分がしっかり摂れる
・よく眠れる

この三つが保たれていれば、必ずしも無理に熱を下げる必要はありません
重要なのは、体温の高さではなく全身の状態で判断することです(高熱なのに暴れまわっていた子ども時代が懐かしい…)。

ただし、乳幼児は注意。
発熱により熱性けいれんを起こす可能性があるため、医療機関を受診することが勧められます。
また、高齢者は生理機能の低下により発熱しにくい場合があり、熱がなくても体調の変化を見逃さないことが大切です。

こんな症状はすぐ受診!見逃せない危険なサイン

感染症による発熱は自然に回復していきますが、次のような症状がある場合は医療機関を受診してください。
・咳、痰がひどい
・呼吸が苦しい
・腰の痛みがひどい
・下痢や嘔吐が続く
・高熱が続き、水分が摂れない
・のどが腫れて食事が飲み込みにくい
・黄緑色など汚い色をした痰や鼻水が多い
・これまで経験した風邪と明らかに異なる

青木先生が担当した患者さんにも、風邪だと思って受診した発熱が細菌性肺炎や扁桃腺炎、副鼻腔炎、腎盂腎炎(じんうじんえん※)だった例があります。
発熱を起こす病気は非常に多いため、違和感を覚えたときは早めに専門家へ相談することが大切です。

※細菌感染により、腎臓と尿管の接続部分(腎盂)に炎症が起こる病気

発熱時も食事はとった方がいい?

発熱時の食事について、「食べずに眠ったほうが回復が早い」と聞くことがありますが、医学的には食欲があれば食べたほうがよいとされています。
おすすめは次のような、消化がよく糖分や塩分を含むものです。
・おかゆ
・うどん
・すりおろしりんご
・バナナ
・ゼリー飲料 
など

なお、水分がしっかり摂れていれば、2・3日食事量が少なくても大きな問題になることは稀です。
食欲がない時は無理に食べず、水分を十分に摂って身体を休めましょう
無理に食べて嘔吐や下痢をすると、かえって体力を消耗してしまいます。

経口補水液

水分補給の際は、真水ではなくナトリウムやカリウムなどの電解質や糖分を含むスポーツドリンクや経口補水液が適しています。

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熱をやわらげる身体の冷やし方

発熱がつらく身体を冷やしたいときは、首・わきの下・鼠径部(そけいぶ)を冷やす「3点クーリング」が効果的です。
これらは大きな血管が皮膚の近くを通っており、効率的に体温を下げることができます。
おでこを冷やすと気持ちはよいものの(有名な商品もありますが…)、効果は3点クーリングには劣ります。

なお、悪寒で寒く感じる時はクーリングはせず暖める方が適切です。
悪寒やふるえは身体が熱を求めているサインです。

解熱剤の使用時の注意点

薬と水

非ステロイド性抗炎症薬(ロキソニンなど)や、アセトアミノフェン系解熱剤(カロナールなど)薬を使用する際も、悪寒があるときは避けましょう
一般的には、アセトアミノフェン系解熱剤のほうが腎臓への負担が少なく、比較的安全とされています。

ただし、病気(インフルエンザや水疱瘡など)によっては非ステロイド性抗炎症薬が使えない同じシリーズやブランド名でも成分が異なる市販薬がある、などの注意点があるため、服用前に医師や薬剤師へ相談することが重要です。

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まとめ

①発熱は病原体をやっつけるための自然な反応。元気なら必ずしもすぐに下げなくてOK。
②発熱時は水分補給を最優先。食事は食べられる範囲で。
③受診の判断は熱の高さではなく、水分が摂れているか、眠れているか、元気があるかという全身の状態で。
④身体を冷やす際は発熱時に「3点クーリング」で。
⑤解熱剤の使用は医師や薬剤師に相談してから。

これらのポイントをおさえ、つらい発熱を乗り切りましょう。

あなたはどんな方法で発熱を乗り切っていますか?ぜひInstagramのコメント欄で発熱時のエピソードを教えてください!みなさんのコメントをお待ちしています✨
セラピア | Instagram

【この記事を書いた人】

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カツオ

三度の飯より釣りが好き。三度の飯は麺が好き。な元サッカー審判員(ギリギリ30代のアラフォー男)

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