「あれ、何を取りに来たっけ?」「この人の名前は…?」こんな経験がある方は、もしかすると認知機能が低下し始めているかも。近年では、高齢者に限らず、スマートフォンやAIの普及により、若い世代でも脳を使う機会が減っているそう。認知機能の低下は年齢で決まるものではなく、日々の脳の使い方によって左右されるといわれており、将来の自分のためにも、脳を鍛えることは重要です。今回は、脳トレの書籍も出版されている松下先生に脳機能や脳トレについてインタビュー。後半には脳トレ問題も出題しているので、ぜひ挑戦してみてください!
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今回お話をお聞きした人
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森ノ宮医療大学 総合リハビリテーション学部 作業療法学科 学科長(教授)松下 太 先生
1990年に作業療法士国家資格取得後、病院や介護老人保健施設にて高齢者や認知症の人のリハビリテーションに従事する。2001年四條畷学園短期大学講師。2016年森ノ宮医療大学教授。2018年三重大学大学院医学系研究科生命医科学専攻認知症医療学講座博士課程修了(医学博士)。2022年より現職。2001年に養成校の教員となってからも、若年認知症支援の会「愛都の会」副代表をはじめ、特別養護老人ホームや重度認知症デイケア、認知症初期集中支援チーム等で認知症の人の支援に関わり、現在は大阪市地域包括支援センター連絡調整事業スーパーバイザーとしても活動中。一般社団法人日本作業療法士協会代議員。一般社団法人大阪府作業療法士会監事。
脳トレとは?
脳トレは、脳の働き、特に認知機能※を向上させるためのトレーニングです。「考える・記憶する」など、脳を使うことで刺激を加え、脳内の血流を増加、酸素や栄養がいきわたりやすくします。その結果、脳が活性化し、認知機能の低下を緩めたり、向上させたりする効果が期待されます。
※認知機能:情報を処理・理解し、適切に判断・行動するための様々な機能
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【脳トレ実施中の前頭葉の脳血流】
脳を使うことで血流が増加しているのがわかります。
脳は「使い方」で変わる?
脳には数百億もの神経細胞があり、細胞同士が繋がり、脳のネットワーク(認知予備能 )を形成することで情報処理を行っています。細胞数は20代をピークに減少していきますが、このネットワークは年齢に関わらず、脳を使い続けることで、維持・強化できることがわかっています。反対に、脳を使わない(刺激が少ない)状態が続くと、脳の「廃用(萎縮や機能低下)」が起こりやすくなります。そのため、日常的に脳を使うことが、将来の認知機能を守る鍵になります。
認知機能と脳の関係
認知機能といっても、記憶力、思考力、理解力、集中力、計算力など、その要素はさまざまです。例えば記憶力には、単に覚える力だけでなく、会話をしながら次の行動を考えるなど、複数の情報を同時に扱う作業記憶(ワーキングメモリー)も含まれます。このように、私たちは多様な機能を相互的に働かせることで、日常生活を行っています。脳を効果的に活性化させるためには、一つの機能だけでなく、複数の脳機能を同時に使うことが重要です。
〈脳部位の役割〉&〈おすすめの脳トレ〉
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※近年では、脳への刺激(脳トレ)と運動を同時に行うことで、脳内血流がさらに高まることがわかっています。そのため、認知症予防が期待できると、認知機能(コグニティブ)と運動(エクササイズ)を組み合わせた「コグニサイズ」が発明、注目されています。
脳トレをやってみよう!
脳トレのポイントは、「①少し難しいレベルで ②楽しみながら ③継続的に行う」こと!簡単すぎると脳への刺激が弱く、難しすぎるとストレスが…。ちょっとチャレンジ!がちょうどいいレベルです。また楽しみながら行うことでドーパミンが分泌され、脳トレの効果が高まり、気分の向上やストレス発散も期待できます。
ここからは、松下先生に教えていただいた脳トレ問題に挑戦してみましょう!
脳トレ問題
頭頂葉・側頭葉・前頭葉を同時に使う脳トレです。
➀二字熟語ネットワーク
矢印の方向に読むと2字熟語になるよう、マスに漢字を書いてみましょう。
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答えはここをクリック!
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②一度だけすべてを通る
絵があるマスを通らずに、他のマスを全て「一度だけ」通ってスタートからゴールへ。経路は交差させないでください。
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答えはここをクリック!
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③ストループテスト
できるだけ早く、字を読まずに色を言ってみましょう。
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日常的に行える脳トレ
デュアルタスクやマルチタスクなど、複数課題を同時に行うものが効果的です。
★思考+運動の同時処理で前頭葉を鍛える
➀グー・パー運動
前に出す手:パー/胸に当てる手:グー これを右手左手交互に行う。
前に出す手:グー/胸に当てる手:パー これを右手左手交互に行う。
②カウント運動
1、数を数えながら、3の倍数で手をたたく。
2、足踏みをしながら、1を行う。
★側頭葉や前頭葉を鍛える。特に、老化で最初に衰えるといわれる近時記憶を強化!
③昨日日記を書く
昨日何をしたか、何を食べたかなど、今日ではなく昨日したことを簡単に書いてみる。
脳トレで「認知機能の貯金」をしよう!
近年の研究では、子どもの頃から勉強や読書などで脳をよく使ってきた人は、認知症のリスクが約3~4割低い傾向にあるとの報告も。若いうちから脳のネットワーク(認知予備能)を増やしておく ことで、加齢による認知機能への対策はもちろん、将来、認知症などの病気により神経細胞の減少が早まった場合でも、進行を緩やかにできる可能性があります。つまり、大切なのは「一生を通して脳を使い続けること」。松下先生曰く、今回ご紹介した脳トレに限らず、会話をしながら次の行動を考えたり、買い物をしながら献立を思い浮かべたりするなど、日常生活の中でも脳は自然と鍛えられるとのこと。また、新しいことへの挑戦や人との会話も、脳の活性化につながるそう。ぜひ、意識しながら日々脳を使っていきましょう。最近、脳を使ってないな~と思った人は、ぜひ1日1つ鍛える習慣を取り入れてみてください!
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【この記事を書いた人】
アニメっ子
アニメ鑑賞で毎日エナジーチャージ。漫画・映画・韓ドラも愛してやまない、泣けるシーンには秒で落涙する20代女子。
