健康診断で「血糖値が高い」と言われたことはありませんか?血糖値が高めだと、糖尿病など多くの病気のリスクが高まり、命に関わる場合もあります。
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血糖値は、毎日の食事が深く関係しています。今まさに「食欲の秋」。この機会に食生活を一度見直してみませんか?
今回お話をお伺いした人
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森ノ宮医療大学 看護学部看護学科 講師/看護師 八幡 久美子 先生
藍野大学大学院 看護学研究科 修士課程修了。看護師として急性期の内科系・外科系病棟やNICUで経験を積み、2022年4月森ノ宮医療大学に着任。現在は森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 博士後期課程で学びながら、教壇に立つ。
血糖値のしくみ
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度を示す指標で、食事をすると変動します。
(1)血糖値が上昇(食後約30~60分)
食べ物に含まれている糖質は、消化されると小腸でブドウ糖に変わります。このブドウ糖が血液に取り込まれ、血糖値が上がります。
(2)血糖値が下降(食後約2時間)
血液中のブドウ糖が増える(血糖値が上がる)と、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンはブドウ糖を肝臓や筋肉、脂肪組織の細胞に取り込む働きがあり、その結果、血液中のブドウ糖が減り、血糖値が下がります。
理想的な血糖値
血糖値は血液検査でわかります。健康診断や人間ドックで「空腹時血糖値」や「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」の数値を確認しましょう。空腹時血糖値は直前の食事の影響を受けやすいですが、HbA1cは直近1~2ヶ月の平均血糖値を表しているため、ごまかしがききません…。
【基準値】
・空腹時血糖値:70~109mg/dl
・HbA1c(NGSP値※):4.6~6.2%
筆者も今年の健康診断の結果がちょうど届いたところ。どきどきしながら確認すると、空腹時血糖値:84mg/dl、HbA1c:5.2%で理想的な数値でした!
※NGSP値:国際標準値
理想的な数値でも油断禁物?「血糖値スパイク」とは
食後、血糖値が急上昇・急降下することで血管へダメージを与えたり、糖尿病のリスクが高まる「血糖値スパイク」に注意しましょう(グラフのピンク線)。困ったことに血糖値スパイクは、空腹時血糖値やHbA1cは正常範囲であることが多いため、検査でも見過ごされやすいそう。
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出典:社会福祉法人恩腸財団 済生会
~血糖値スパイクを起こす人の特徴~
・暴飲暴食をする
・甘いものを最初に食べる
・欠食をする など
食後に強い眠気やだるさ、頭痛やイライラ、集中力の低下がある場合は、血糖値スパイクの可能性があります。自身が血糖値スパイクかを知る手段は、現在では「リブレ」という血糖測定値を測れるものを約2週間装着し続けるぐらいしかありません。ただし、起こす特徴に気を付けて生活していれば、装着する必要性はないでしょう。
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血糖値には運動や睡眠も関わりますが、食事が大きく影響します。そこで、血糖値の推移を理想的に保つための食事法をご紹介します。
食事内容を決めるポイント
Point1:5大栄養素をバランスよく摂取しよう!
人が健康的に生活するためには5大栄養素が欠かせませんが、働きが異なるためバランスよく摂ることが大切です。
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Point2:カロリーオーバーにも注意しよう!
5大栄養素をバランスよく食べていても、食べ過ぎてしまうと血糖値に悪影響を及ぼします。まずは自分の1日に必要な摂取カロリーを知りましょう。さらに「PFCバランス」が整った食事を意識すると、より血糖値のコントロールがしやすくなります。PFCとは、P(タンパク質:Protein)、F(脂質:Fat)、C(炭水化物:Carbohydrate)の3つのエネルギー源のことで、1日分の摂取カロリーから各栄養素の理想の割合を決める指標です。
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例えば、30代女性で運動量が少なめの筆者の場合、1日の摂取カロリーは約1,750kcalが目安です。PFCバランスの理想は炭水化物約1,050kcal、タンパク質約260kcal、脂質約440kcalとなります。
~低カロリーのおすすめ食品~
鶏むね肉・ささみ・いか刺身・豆腐・キャベツ・もやし など
Point3:血糖値を下げやすい食品を取り入れよう!
オートミール・こんにゃく・長芋・アボカド・椎茸・わかめ・いちご・みかん などを取り入れると、血糖値上昇を緩やかにしてくれます。
食べ方の工夫も大切
血糖値の推移を理想的に保つには、食事内容だけではなく食べ方にも工夫が必要です。
①1日3食摂る。
インスリンの分泌は1日3回が理想的。それ以上回数が増えると、膵臓が疲れてしまうそうです。お菓子を食べるなら、間食ではなく食後すぐがおすすめ!
②朝・昼はしっかり食べて、活動が減る夜は控えめに。
夜は体内時計(サーカディアンリズム)の影響で血糖値が上がりやすく、インスリンの働きも低下し、血糖値が下がりにくくなる傾向にあります。
③食事の間隔は3~4時間は空け、だらだら食べない。
だらだら食べ続けると、血糖値が上昇したままの状態が続いてしまいます。
④よく噛んで食べる。
満腹感が出やすく、カロリーオーバー防止になります。
⑤野菜・汁物→タンパク質(主菜)→残りのタンパク質(主菜)+炭水化物(白米など)の順番で食べる。
野菜に含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
あなたの食生活は大丈夫ですか?
筆者のライフスタイルは朝食を抜き、夕食が夜遅くなることが多いので、忙しくてもナッツやゆで卵をつまむなどして、食事の間隔を空けすぎないのがおすすめだそう。また、お酒が大好きで外食もするため、ついカロリーオーバーになることも…。まずは無理なくできる食べ方から見直し、低カロリーの食品や血糖値を下げやすい食品を組み合わせた食事内容を心がけようと思います!
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【この記事を書いた人】
コーヒーソムリエ
コーヒーがあるとき~(^^)ないとき~(_ _)の生粋の大阪人。保幼小の教員免許をもつ子ども大好きフルタイムワーママ。
