子どものイヤイヤ期…いつまで続く?気持ちが楽になる対処法を伝授!

「魔の2歳児、悪魔の3歳児」という言葉を知っていますか?これは子どもの成長過程で突然やってくる第一次反抗期、いわゆるイヤイヤ期のことです。「まだ寝ない!」「この服は着ない!」など、何を言っても拒否され、保護者の方は戸惑う時期かもしれません。そんなイヤイヤ期の子どもと上手に接する方法や、保護者の気持ちが少しでも楽になる情報をお伝えします。

今回お話をお伺いした人

森ノ宮医療大学 総合リハビリテーション学部言語聴覚学科 講師/言語聴覚士 末次 由佳 先生
県立広島大学大学院 総合学術研究科 保健福祉学専攻 修士課程修了(保健福祉学)。10年以上にわたり、発達や小児聴覚分野で子どもを対象とした臨床経験を積む中で、子どもだけでなく「保護者支援」の大切さに気づき力を入れるように。2025年4月より森ノ宮医療大学へ入職。公認心理師の資格も保有。

イヤイヤ期が起きる時期は?

イヤイヤ期は個人差がありますが、2歳頃に始まり3歳でピーク、4歳頃には落ち着くことが多いです。ただし、1歳頃から叩く・噛むなどの行動で「イヤ!」という気持ちを表す“癇癪(かんしゃく)”が見られることがあります。これはイヤイヤ期の前段階といえるでしょう。

子どもの発達とイヤイヤ期の関係

なぜイヤイヤ期がやってくるのでしょうか?それは、子どもの発達や親との関係性と深く関連しています。

【0歳~1歳半頃】
抱っこなど親密な触れ合いを通じ、子どもは親と“一心同体”で成長します。笑えば笑い返し、泣けば声をかけ抱きしめる――その繰り返しの中で愛情を感じ、信頼感が育まれます。人見知りや後追いはその表れであり、この信頼感は気持ちの安定や困難を乗り越える力の土台となります。

【2歳頃~】
様々な事柄を比べる力が発達する時期で、一心同体だった親と自分が“別の存在”であると気づきます。「自分は一人の人間」だと気づくと、自分という存在を確立させることにエネルギーを使い始めます。これが“自我の芽生え”でありイヤイヤ期がくる理由です。

この行動は、今まで築いてきた信頼関係があってこそ。だから安心して親に自己主張します。決して上手とは言えない表現ですが、自分の思いが受けとめられる経験を積み重ね、自我を育てていきます。

もう無理!イヤイヤ期の子どもとの上手な接し方5選

イヤイヤ期の子どもの気をそらすのは、親にとって本当に大変…。ここでは、イヤイヤ期の子どもと上手に接する5つの方法をご紹介します。

①子どもの気持ちを受けとめる
頭ごなしに叱るのではなく「○○だね、わかるよ」と子どもの気持ちを代弁するとともに肯定してみましょう。自分の思いを大切にされることで、落ち着くことが多いです。

②選択肢を与える
例えば着替えをするとき、「服はどっちにする?」と選択肢を与えてみましょう。主体はあくまでも子ども自身であることに気をつけながら、子どもが着替えやすいものから選ばせるなど、そっと補助してみましょう。

③視覚的に伝える
違う行動に移したいとき、子どもの気持ちはすぐに切り替えられません。タイミングが一目でわかる「視覚タイマー※」は、時計が読めない子どもでも時間感覚を掴みやすく、見通しや心構えの準備にもなり、気持ちの切り替えがスムーズになります。ただし、「赤がなくなったら終わり」は3歳以降に理解するため、2歳にはまだ難しいです。親が補助しながら使用しましょう。

※視覚タイマー…時間が進むと赤い部分が減っていく

④イヤイヤスイッチが入りやすい時間帯を知る
眠たい時や空腹時は、余計に感情のコントロールがしにくくなるため、子どもが受け入れにくいお願いをするのは避けましょう。お昼寝の環境を整えたり、軽食を用意しておくなど、予防策を準備しておくと良いですね。

⑤イヤイヤ期は成長の証
イヤイヤ期は、親を信頼し、自分を発見できた成長の過程です。子どもが初めて一人で歩けたとき、大喜びしませんでしたか?その時と同じとは思えなくても、「成長の証」だと前向きに捉えていきましょう。

筆者が気になること…

筆者は4歳の娘がいますが、2~3歳の頃も比較的素直で、困るようなイヤイヤ期がなかったため、今回お話を聞いて「安心感が足りない?」「自我の発達が遅れている?」と不安になりました。
しかし、イヤイヤ期は環境だけではなく、「大人しい」「穏やか」という生まれ持った性格も関係するため、あまり不安になる必要はありません。子どもが自分の気持ちや要望をきちんと伝えることができていれば、過度に心配しなくて大丈夫です。

子育てをがんばる保護者のみなさんへ

イヤイヤ期は子どもの自立の第一歩、成長の証。とはいえ、保護者にも感情があり、イライラするのは自然なことです。「余裕があるときだけでも寄り添えれば十分!」と自分を認めてあげてください。子どもが2歳なら、子育て歴もまだ2年。親も成長途中で悩みながらも向き合う自分を誇りに思い、気持ちを少しでも軽くして、子どもの成長を見守っていきましょう!

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【この記事を書いた人】

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コーヒーソムリエ

コーヒーがあるとき~(^^)ないとき~(_ _)の生粋の大阪人。保幼小の教員免許をもつ子ども大好きフルタイムワーママ。

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