【医療の仕事に迫る!】看護師とどう違う?“認定看護師”ってなに? 【コラボ企画】

2025.01.07

看護師は6つの領域(※)があり、それぞれ対象が異なります。病院で働く際は、一般的にはその枠の中で働くことになりますが、その中でもさらに分野を細分化し専門的な知識を身に付けた証として、認定看護師という資格が存在します。
今回はそんな認定看護師の資格を取得し、救急看護の現場で活躍する現役看護師の牧田さんに、お話を伺いました。末尾にはこれから看護師をめざす方へのメッセージも。ぜひ最後までお読みください!

※成人(急性)、成人(慢性)、老年、母性、小児、精神の6つ

今回お話しをお伺いした人


公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病院 集中治療室所属 
救急看護認定看護師/牧田 佐和子 さん

大阪市内の病院(350床前後)で小児科・循環器病棟の循環器チームとしてキャリアを開始。急変事例を何度も経験するうちに「急変に強い看護師になりたい」と考え、全次型救急(一次救急から三次救急まで扱う、なんでも来い救急)がある病院(900床前後)へ転職。多忙な中にも楽しさを覚え、今で言う「沼」にハマっていき2007年、救急看護認定看護師を取得。その後も救急・集中治療室の勤務を続けるが、子育てのために夜勤業務を続けることが困難となり退職する。
その頃、日本生命病院が救急部門を強化することを知り、2017年に就職。2022年、特定行為研修(救急領域)を修了。日本生命病院は二次救急のため、緊急度や重症度は多少緩やかになるものの「どこに居ても救急現場は変わらない」という事を感じながら
日々、院内の至るところで活躍している。

認定看護師とは

認定看護師(CN:Certified Nurse)とは、日本看護協会が認定する資格です。患者さんやその家族によりよい看護を提供できるよう、19(※)を超える分野ごとに、熟練した看護技術と知識を有する者として「実践・指導・相談」を行い、その質の向上に努めます。このうち牧田さんは救急看護分野で認定を受けています。
資格取得のためには、看護師免許取得後5年経過に加え3年以上の当該分野での実務経験を持ち、600時間以上の教育を受けた上で審査に合格する必要があるなど、厳しい条件があります。
また21区分38行為に分けられる特定行為研修(255~284時間)を修了すると、医師の指示を待たずに手順書に沿って医療行為を行うことができるため、患者さんにとって必要な処置を素早く提供できるほか、医師の負担を減らすこともできます。

※【参考】公益社団法人 日本看護協会WEBサイト

仕事内容

前項でご紹介したように、実際に自身が実践するだけでなく、他の看護師に対し指導・相談を行うのが認定看護師の主な業務となります。経験を重ね管理職になると一般的な病院では実務を行う時間が減ることが多いですが、牧田さんが働く日本生命病院では、認定看護師は管理職でありながら実務に集中できる体制をとっているそう。取材中、何度も「救急看護が好き」とおっしゃっていた牧田さんにとって、実務の時間が減らない環境は理想の職場と言えそうですね。

現場では子どもから高齢者まで幅広い年齢、さまざまな状態の患者さんを対応します。自分の足で歩いて病院まで来られる方がいる一方で、意識不明で運ばれてくる患者さんもおり、その場で最適な判断を下し患者さんが救命できたり、苦痛が取れたりする事がやりがいと牧田さんは語ります。
また取材当日も、ある検査前に急変した患者さんがいたそうですが、医師がすぐに対応できない状況だったため、連絡を受けた牧田さんが、事前に救急部長と作成した特定行為手順書に沿って判断・処置をされたそうです。1分後の状態は誰にもわからないからこそ、認定看護師として身に付けた豊富な知識を、エビデンスを基に活用し、病院内の至る場所で活躍しています。

救急看護に向いている人とは?

救急や災害の現場では「声なき声をひろう」ことが大切だと、牧田さんは語ります。そのために必要な知識や技術を身に付けるために、認定看護師の資格を取得されたのですが、そのために職場や身の回りの環境を整えることが必要だったそう。「たまたま巡りあわせが良かったので…」と謙遜されていましたが、チャンスがあれば逃さず掴みに行く姿勢が必要です。
また取材を通して、牧田さんは本当に救急看護が好きなことが言葉の端々から感じられました。好きだからこそ、とことん進むことができ、現在の活躍につながっているのですね。

ちなみに牧田さん曰く、1年目から救急を希望してキャリアをスタートした人は意外と残っていないそう。時々刻々と変わる現場では、定時の10分前に急患が運ばれてくることも。コロナ禍では原因となるウイルスの詳細がはっきりしない時期から、対応が求められていました。そうした場面でも自ら進んで対応できる人が救急看護に向いているのでは、と笑いながら話される姿が頼もしく、強く印象に残りました。

これから看護師をめざす方へ -牧田さんからのメッセージ-

私はもともと小児科志望でした。ところが現場で、一刻を争う患者さんに対応する救急看護の姿を目にしたことが、この世界に飛び込むきっかけでした。そこからは先に述べた通り、どっぷりとその魅力にはまっていったわけですが、この巡りあわせは誰にでもあることではないかもしれません。
看護師になり自分の興味が途中で変わっても、育児や介護で一旦仕事を離れても、いろいろな働き方で続けることができるのは看護師という仕事の強みであり魅力です。これから看護師をめざす方はぜひ、授業も実習も大変だと思いますが、色々な事をまなび、「看護をする」という仕事を好きになってほしいと思います。

公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病院

1924年7月、財団法人「日本生命済生会」設立。日本生命本館内に事務所を設置して診療を開始。1931年6月、名門緒方病院の土地・建物を継承し、大阪市西区新町に「日生病院」を開院(当初は24床で開始)。2018年4月30日、大阪市西区江之子島に新築移転。病院名称を「日生病院」から「日本生命病院」に変更し、現在に至る。

所在地|〒550-0006大阪市西区江之子島2丁目1番54号
病床数|一般350床
診療科|
循環器内科、消化器内科、内分泌・代謝内科、呼吸器・免疫内科、血液・化学療法内科、脳神経内科、腎臓内科、消化器外科、呼吸器外科、乳腺外科、心臓血管外科、産婦人科、小児科、神経科・精神科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、形成再建外科、放射線診断・IVR科、放射線治療科、麻酔・緩和医療科、リハビリテーション科、救急総合診療科、検査診断科、病理診断科、予防診療科
診療センター|
救急総合診療センター、がん治療センター、女性骨盤底センター、糖尿病・内分泌センター、消化器内視鏡センター、血液浄化センター、脳機能センター、乾癬センター、ニッセイ予防医学センター
その他|
病院機能評価認定病院(3rdG:Ver.2.0)
ジャパンインターナショナルホスピタルズ(JIH)推奨病院
卒後臨床研修評価機構(JCEP)認定病院
人間ドック・健診施設機能評価認定病院(Ver.4.0)
DPC対象病院
大阪府がん診療拠点病院
地域医療支援病院

<日本生命病院 公式WEBサイト>

記事をShareする!

  • X
  • Facebook
  • Line

関連記事

記事一覧に戻る