医療現場で英語は必要?~看護師の視点から考える必要性~

2026.02.20

医療は世界中で日々進歩を続けており、新しい治療法や薬剤、医療機器、看護ケアの考え方など、その多くはまず英語で発信されます。また日本の病院では、観光客の増加や外国人労働者の定住などを背景に、英語での対応が求められる場面が増えています。そこで今回は、医療現場における英語の必要性と、実際に使える医療英語について、学生だけでなく現役の医療従事者にも教えている看護師の先生にお話を伺いました。

今回お話をお伺いした人

森ノ宮医療大学 看護学部 看護学科 准教授/看護師 渡邉 敦子 先生
高校・大学時代の留学をきっかけに、英語を活かした仕事に就くも、英語力を強みとして専門職をめざすためにキャリアシフトし、社会人入試にて藍野大学短期大学看護学科へ進学。京都市立病院で看護師として従事した後、母校で基礎看護学の教鞭をとる。京都大学大学院医学研究科修士課程、大阪大学医学系研究科博士課程への進学を経て、2023年に森ノ宮医療大学へ着任。現在は学生や現役看護師に向け、医療英語と看護の教育を行う。

なぜ英語が求められるの?

医療の現場において英語を習得する目的は、患者さんの訴えを正確に理解し、治療方法やケアの内容などを説明して同意を得るという「安全な医療提供の基盤」を築くことにあります。医療従事者として、患者さんの痛みの程度が正確に把握できない、既往歴やアレルギーが確認できない、処置や検査の説明が十分に伝えられないとなると、患者さんの不信感を招くだけでなく、医療事故を引き起こす要因となる可能性があります。そんな状況を作らないためにも、基本的な医療英語を理解し、言葉が通じない不安や恐怖を少しでも和らげることが大切です。ネイティブのように完璧である必要はなく、簡単なフレーズでも想いは十分に伝わります。ここからは、よく使う英単語やフレーズを患者さん・医療従事者のそれぞれの視点でご紹介します。

患者さんが覚えていると役立つ英語

症状を伝える英語の表現は多数ありますが、今回は旅先で体調が悪くなったときに使える英語をご紹介します。

■「I feel ~」を使う表現
sick 気分が悪い
nauseous 吐き気がある
dizzy めまい
pain 痛み
a sharp/a dull pain 鋭い痛み/鈍い痛み
tired だるい/疲れています
chills さむけ(悪寒)

「I feel~」は「自分の感覚・体調として感じていること」を伝えるときに使い、形容詞が多く用いられます(例:I feel dissy/めまいがします)。


■「I have ~」を使う表現
a headache 頭痛
a stomachache 腹痛
a cough 咳
a sore throat 喉の痛み
a fever 熱
a runny nose 鼻水
diarrhea 下痢
pain 痛み
chills さむけ(悪寒)

「I have~」は「症状」を伝えるときに使い、名詞が多く用いられます(例:I have a cough/咳があります)。


切羽詰まった状態では、「Pain! Here!」の2語と、痛いところを指すだけでも伝わりますが、上記のように話せると、より具体的な症状を伝えることができます。素早く適切な治療につなげるためにも、覚えておくと役立ちます。

医療従事者が覚えていると役立つ英語

次に、医療従事者が覚えていると役立つフレーズを場面にあわせて、ご紹介します。先ほどの患者さんが覚えていると役立つ英語の表現「I feel~」・「I have~」を、「Do you~?」に変えると、「~の症状はありますか?」という医療従事者からの問いの文章になります。例えば、「Do you have a fever? 熱はありますか?」、「Do you feel dizzy? めまいがしますか?」といった具合です。また、それ以外での表現の一例もご紹介します。

・体温/血圧を測りますね。
I will take your temperature/blood pressure.
・どこが痛みますか?
Where do you feel pain?
・痛みを0から10で教えてくれますか?
Can you rate your pain from 0 to 10?
・採血します。
I will draw some blood.
・注射をします。
I will give you an injection.
・リラックスしてくださいね。
Please relax.

このような表現ができますが、難しい場合は単語だけで伝えましょう。あわせて、ジェスチャーを交える、目を見て話すなどを意識すれば、伝わる可能性を上げることができます。

渡邉先生からのメッセージ

医療従事者にとって英語力は、患者さんに安心・安全な医療を提供する説明だけでなく、海外研修や国際医療支援、研究・教育分野など、将来の可能性を大きく広げてくれます。学ぶ過程でわかりやすく伝える力も身につくため、専門職としての成長や自信にもつながります。英語に苦手意識を持っている方もいるかもしれませんが、英語は使えば使うほど、少しずつ身についていくものです。まずは英語に触れる機会を意識してつくることから始めてみてください。焦らず、自分のペースで大丈夫です。一緒に少しずつ頑張っていきましょう!

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【この記事を書いた人】

Θ(シータ)

Θに似ているたらこくちびるが由来。1歳の女の子パパをしています。

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