6月12日から始まるサッカーの祭典、ワールドカップ。
歴20数年の私、カツオにとって楽しみな一方、北米開催のため深夜観戦となり、寝不足は避けられません。
今回は、そんな睡眠のリスクと影響について、入眠や覚醒といった睡眠サイクルを専門とする藤江先生に話を聞きました。
今回お話をお伺いした方
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森ノ宮医療大学 医療技術学部 臨床工学科 教授/臨床工学技士・看護師 藤江建朗 先生
大阪電気通信大学 医療福祉工学部卒業後、大阪電気通信大学大学院で博士号(工学)を取得。社会福祉法人大阪暁明館 大阪暁明館病院などで臨床工学技士として勤務し、呼吸療法業務、睡眠医療、心臓カテーテル業務に従事。一般社団法人大阪府臨床工学技士会 呼吸担当理事、公益社団法人日本臨床工学技士会代議員、一般社団法人日本呼吸療法医学会代議員。
あなたにも潜む「睡眠負債」
朝はスッキリ起きられず二度寝。昼食後に強烈な眠気。休日は長時間寝てしまう——
こんな経験はありませんか?これらはすべて、睡眠が足りていないサイン。
今回お話を聞いた藤江先生も「朝の通勤電車で寝る人は、睡眠が足りていない可能性があります」と指摘します(ギクッ!…私も毎日寝ています)。
ヒトの適切な睡眠時間は7〜8時間とされていますが、多くの人が足りていません。
スタンフォード大学が行った実験では、普段平均7時間寝ている学生たちに、スマートフォンや通信機器を持たせず「好きなだけ寝ていい」環境を提供しました。
すると、初日の睡眠時間は平均13時間。
2日目も12時間と長時間の睡眠が続きましたが、日を追うごとに短くなっていき、約20日後に8時間前後で落ち着きました。
これは、彼らにとって毎日約1時間前後の睡眠が足りていなかったことを示しています。
この不足している時間の積み重なりが「睡眠負債」です。
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またこの実験では、睡眠負債は解消までに約20日かかる可能性も示唆されます。
つまり一度崩れたリズムの影響は、その後もしばらく続くことになります。
ワールドカップが終わったら、いつもの生活に戻ればいい——そう考えているなら、要注意です。
今すぐできる睡眠負債対策
以下はワールドカップを楽しみながら、睡眠のリズムを崩しすぎないためのポイントです。
睡眠負債の解消には継続が必要です。毎日コツコツ取り組みましょう。
朝は光を浴びて体内時計をリセット
起床後すぐに日光を浴びることで、体内時計がリセットされます
昼寝は15分、デスクで午後早めに
昼寝は15分程度、午後の早い時間(13時頃)に。
深く眠らないよう、横にならず机にうつ伏せの姿勢で
開催前から生活リズムの調整
ワールドカップが始まる前から、いつもより早く寝る習慣をつけておくと、負債が積み重なりにくくなります
開催後も「開催前より早く寝る」を当分続ける
睡眠時間が7~8時間と少ない方や、開催中寝不足が続いた方は、ワールドカップが終わった後も、いつもより30分〜1時間早く寝る生活を当分続けましょう
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その眠気、もしかしたら病気かも…
もし日中に強い眠気が続く場合、睡眠負債以外にも睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害の可能性があります。
睡眠障害は高血圧・糖尿病・認知症など、さまざまな疾患のリスクを高めるため、放置は禁物。
最近では、入院せず家庭で睡眠に関する検査ができるようになり、保険も適用されます。
睡眠に不安がある人は、ワールドカップをきっかけに受診してみるのも良いでしょう。
また睡眠で重要なのは、どれだけ寝たか(時間)だけではなく、「睡眠休養感」というどれだけ回復できたか(実感)、です。
ヒトの睡眠は、レム睡眠(※1)とノンレム睡眠(※2)を繰り返しており、このうちノンレム睡眠の際に心拍数や体温が下がり、身体が休まります(藤江先生はこのリズムの計測について研究されています)。
ただし、このサイクルは日中の過ごし方や就寝前の習慣によって大きく左右されます。
たとえば飲酒は一時的に眠気を誘うものの、睡眠を浅くし、途中で目が覚めやすくなることが知られています。
その結果、せっかく寝ているのに十分な回復は望めず、睡眠休養感を得ることが難しくなることに…。
ワールドカップ観戦のお供にビール——最高です。
でも、その後の睡眠を考えるなら、観戦中の飲酒は控えめにしておきましょう。
※1 英語でREM(Rapid Eye Movement/急速眼球運動)と記すように、眼球が動いている状態の睡眠。脳は活動しているため、夢を見ていることが多いとされる。
※2 non-REM(non-Rapid Eye Movement)。体をリラックスさせる副交感神経が優位になり、脳の活動も穏やかな状態となる。睡眠の深さにより3つのステージに分けられる。
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ワールドカップの戦いは、試合会場だけで行われているわけではありません。
睡眠環境を整え、コンディションをどう保つか。
私たちの戦いも、すでに日常の中で始まっています。
試合を最後まで楽しむために、まずは今夜の睡眠から見直してみませんか。
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【この記事を書いた人】
カツオ
三度の飯より釣りが好き。三度の飯は麺が好き。な元サッカー審判員(ついに40代突入)
