食事中にピリッと感じる舌や唇の痛み。鏡で見ると、小さな白いできものが——
誰もが一度は経験する「口内炎」です。でも、なぜできるのかご存知でしょうか。いつもの口内炎か・・・と軽く考えがちですが、他の病気が隠れている場合もあります。身近な症状だからこそ正しい知識をもっておきたい口内炎について、専門家にお話を伺いました。
今回お話をお伺いした人
![]()
森ノ宮医療大学 総合リハビリテーション学部 学部長、副学長
教授/歯科医師 森谷 正之 先生
大阪大学歯学部助手、大阪大学大学院 歯学研究科講師を経て2008年に森ノ宮医療大学へ入職、2022年より現職。解剖学を担当。
口内炎とは?
口内炎は口の粘膜に生じた炎症の総称で、頬の内側、歯茎、舌、上顎などに「潰瘍(かいよう)」と呼ばれる小さな傷ができている状態を指します。数ミリ程度の白く丸いできものの周りが赤くなり、しみたり痛んだりするのが特徴。日頃経験する口内炎は、原因が見当たらないこともありますが、水疱瘡や手足口病などのウイルス性感染症の症状の一つとしてあらわれる場合や、食事中に口の中を噛んでしまい傷ができる場合など、ハッキリした原因があることもあります。
![]()
思わぬ病気が隠れていることも…
口内炎が2週間以上続く場合は、思わぬ病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診し、早期発見に努めることが大切です。
CASE1:口腔がん
口腔がんの初期は口内炎と似た症状です。2週間以上経っても症状が良くならず、さらに出血がみられる場合などは医療機関を受診しましょう。口腔がん患者は50歳代で増え、60歳代が一番多くなっています。主な原因は喫煙や飲酒とされています。
CASE2:ベーチェット病
全身の臓器に影響を及ぼす原因不明の炎症性疾患で、指定難病の一つです。口内炎の症状が見られますが、潰瘍ができる場所が入れ替わるのが特徴です。
またごく稀に、服用中の薬が体に合わず、口内炎の症状が出ることもあります。薬の飲み始めと同時期に口内炎が気になりだした場合は、その薬を処方された医療機関を再受診して相談しましょう。
口内炎に気づきにくい人
乳児や高齢者は、痛みを感じにくかったり、訴えることができなかったりします。そのため、周りの人が口の中を観察してあげることが重要です。
①乳児
・リガ・フェーデ病
生まれたときや生後間もない赤ちゃんに、早く歯が生えることがあります。これを先天歯といい下の前歯で多くみられます。先が尖っていることがあり、授乳の際などにこの歯が舌の裏にあたり、口内炎ができることがあるのです。痛みでしっかり授乳できないこともあるので、気が付いたら医療機関を受診しましょう。
・ベドナーのアフタ症
哺乳瓶で授乳する際、硬いゴム製の乳首を使うと、その刺激で赤ちゃんの上顎に口内炎ができることがあります。乳首の種類を変えたり、サイズを小さくしたりすることで良くなるケースが多いです。
②高齢者
頬の筋肉の衰えや合わない入れ歯の影響で、頬の内側を噛んで傷を作ってしまうことがあります。しかし、高齢者の方はその傷に気づかないことが多いのです。食事量が減った場合は、口の中に異変が起きているサインかもしれません。
![]()
気付かないうちにできてしまう口内炎について教えてください!
Q.できやすい人はどんな人ですか?
ストレスが多い人や寝不足、食生活が偏っている人は口内炎ができやすいと言われています。特に、疲労がたまり体の抵抗力が落ちているときにできやすい傾向があるようです。
Q.予防法はありますか?
まずは、睡眠不足やストレスで疲れをためないこと。そして、ビタミンB2など口の粘膜を健康に保つ大切な栄養素をバランスよくしっかり摂りましょう。ビタミン剤で補うのも良いですが、レバーや鯖、納豆、海藻などを普段の食事に取り入れることも効果的です。
Q.医療機関を受診する目安を教えてください。
気付かないうちにできてしまう口内炎の多くは、1週間から10日ほどで自然に治るため、必ずしも医療機関を受診する必要はありません。しかし、痛みが強く「食事ができない」「話せない」場合は、歯科や口腔外科の受診をおすすめします。また2週間以上症状が続く場合は、思わぬ原因が潜んでいることもあるので受診した方が良いでしょう。
Q.市販薬で対応できますか?
おすすめのものが2つあります。
・デキサメタゾン成分入りの口腔用塗り薬を、綿棒の先に米粒程度の量を取って患部に塗ります。塗る前に、患部に付いた唾液をティッシュなどでやさしく拭き取ることがポイント!そうすると、薬が粘膜にピタッとくっつきやすくなります。
・患部に直接貼る錠剤タイプの薬もあり、少し異物感がありますが、患部をカバーしてくれるため、痛みを和らげる効果が期待できます。
![]()
まとめ
気になるけれど、つい後回しにしがちな「口内炎」。しかし、その症状は気付いていない疲れや他の病気などを知らせる“カラダからのメッセージ”なのです。こうしたサインに目を向けて、自分自身や身近な人の健康を守っていきましょう。
![]()
この記事についてのご感想やご質問があれば、ぜひInstagramのコメント欄で教えてください!みなさんのコメントをお待ちしています✨
【この記事を書いた人】
コーヒーソムリエ
コーヒーがあるとき~(^^)ないとき~(_ _)の生粋の大阪人。保幼小の教員免許をもつ子ども大好きフルタイムワーママ。
