【見えないけれど無視できない】PM2.5とは何?

2026.05.15

心地よい風を感じられる季節になってきました。しかし、私たちが日々吸っている空気の中には、目には見えないさまざまな物質が含まれています。その中には、健康へ影響を及ぼすものもあり、近年ニュースなどで耳にする機会が増えたのが「PM2.5」です。そこで今回は、PM2.5とはどのようなものなのか、先生に伺いました。

この記事を監修した人

森ノ宮医療大学 医療技術学部 臨床工学科 講師/臨床工学技士  楠元 直樹 先生
桐蔭横浜大学大学院 工学研究科 博士後期課程修了(工学)。病院での臨床経験および他大学での教育活動を経て、2024年4月に森ノ宮医療大学へ着任。専門は医用工学で、現在はUVオゾンを用いた殺菌や高分子材料への影響について研究を行っている。

PM2.5ってなに?

「PM2.5」とは、大気中に浮遊するきわめて小さな粒子の総称です。PM はparticulate(微粒子)・matter(物質)の頭文字から、2.5は直径2.5μm(マイクロメートル。1μmは1mmの1000分の1)以下という粒子の大きさを表しています。
2.5μmは肉眼では確認できないほど小さなサイズです。
身近なもので比べると、人の髪の毛の直径は約70μm(PM2.5の約28倍)、小麦粉1粒の直径は約50μm(約20倍)、スギ花粉は直径30μm程度(約12倍)と、2.5μmがとても小さいことがわかります。
そのため、空気中を飛散していても視認しにくく、多量の飛散が確認できる場合に、白っぽく濁ることがあります。

どこからやってくるの?

PM2.5はさまざまな事由で発生しますが、自然要因と人為的要因により物を燃やすこと(燃焼)が主な原因として挙げられます。身近な場所だと火を使うキッチンでも発生します。またPM2.5には、最初から粒子の状態で排出される一次生成粒子と、大気中に存在する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などが、化学反応により粒子化し、PM2.5へと変化する二次生成粒子があります。

自然要因
・火山の噴煙により排出される小さな粒子
・黄砂(2.5μm以下の粒子)

PM2.5と一緒によく耳にする黄砂(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、黄土高原などで発生する砂塵、および風により巻き上がった砂塵が上空から降り注ぐ自然現象のこと)ですが、実は2.5μm以下のものはPM2.5にも分類することができます。そのため、黄砂が飛来するときには、PM2.5の飛散量も増える傾向にあります。

人為的要因
・工場での焼却作業
・焼却炉の排煙
・自動車や船舶などの排気ガス
・火力発電所
・調理(焼く・揚げるなど)
・サージカルスモーク(電気メスやレーザーなどの使用時に発生)

最近の医療現場では、手術時の切開や止血の数値をコンピューター管理できることや、傷が最小限で済むこと、手術時間が短縮できることなどの理由から、電気メスやレーザーなどが使用されています。その際に発生するサージカルスモークの中には炭化水素、フェノールなどといった化学物質のほか、細菌やウイルスなどが存在し、それらに含まれる2.5μm以下の粒子状物質もPM2.5に該当します。
 
<こんな日常のシーンも、PM2.5の発生要因に。>

PM2.5がもたらす悪影響

PM2.5は粒子表面に様々な有害成分が吸収・吸着されています。とても小さな粒子のため、吸い込んだ際に呼吸器系の深部(肺胞など)まで到達しやすいことが特徴です。呼吸器疾患(気管支炎や喘息、肺炎、肺がんなど)、循環器系疾患(狭心症や心筋梗塞など)を引き起こすリスクもあるほか、目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどの症状がでることもあります。
そのため呼吸器系や循環器系に持病のある方や屋外活動をよく行う方、子どもなどは、特に気を付けるべきだと言えるでしょう。
ただし、日本ではPM2.5について環境基準が設けられており、1年の平均値が15 μg/m3 以下かつ、1日平均値が35 μg/m3以下であることと定められています。
2023年度に実施された最新の測定結果でも、この基準を100%達成していることから、過度に心配する必要はありません。

PM2.5の対策方法

環境基準はクリアしていますが、日によってPM2.5の濃度は違います。飛散量が多くなると予想される時には以下のような対策をすることで健康被害の軽減が見込めます。

〇マスクや眼鏡の着用
粒子の小さいPM2.5を防ぐためには高性能マスク(N95マスクなど)が効果的です。目のかゆみなどの症状がある場合は、眼鏡などを使用して目への付着を防ぐことも対策方法として挙げられます。

〇窓を開ける回数・時間を減らす、空気清浄機を活用
換気回数を減らし、空気清浄機を活用しましょう。洗濯物も室内干しをして、衣類に付着するのを防ぐとよいでしょう。

〇大気情報を把握する
大気中に飛散する物質の濃度を示すWEBサイトがあり、自分がいるエリアの飛散量がわかります。例えば大阪では飛散物ごとの濃度が複数の地点別に記載されています。濃度が高い日は注意報などが出るため、不要不急の外出を控えるなど、自身の体調などに合わせた行動を心がけましょう。
(https://taiki.kankyo.pref.osaka.jp/ 大阪の大気情報リンク掲載)
(https://tenki.jp/pm25/ tenki.jpのPM2.5分布予想)

まとめ

・PM2.5とは、直径2.5μm以下の粒子状物質の総称で、さまざまな物質を含んでいる。
・PM2.5の飛散量は地域差があり、気候によっても変動する。
・日本国内では環境基準を高い水準でクリアしており、対策を講じれば健康被害を抑えられる。
・日々の情報を確認して、濃度の高い時は外に出ないなど対策が大事。

PM2.5に対して、自身の体調に合わせた行動を行うことが大切です。身近な地域の情報をチェックし、対策を万全にすることで、自分の身体を守りましょう!

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【この記事を書いた人】

Θ(シータ)

Θに似ているたらこくちびるが由来。1歳の女の子パパをしています。

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