今話題のセルフケアグッズの効果と注意点を柔道整復師の先生に聞いてみた!

2024.11.11

健康志向が高まった近年、続々と登場しているセルフケアグッズ。家で手軽に体のメンテナンスができるため、お世話になっている人も多いのではないでしょうか。今回は代表的なセルフケアグッズの効能や使用時の注意点について、骨・筋肉・関節など運動器の損傷のスペシャリストである柔道整復師の朝倉先生にお話を伺いました!

今回お話をお聞きした人

森ノ宮医療大学 IPEセンター 副センター長/柔道整復師・鍼灸師・歯科技工士
朝倉 智仁先生
森ノ宮医療学園専門学校 柔道整復学科・鍼灸学科卒業。森ノ宮医療学園専門学校教員を経て、20216月より現職。

首こり解消ネックピロー

寝るだけで首・肩のこりがほぐれラクになる!と話題のこのグッズ。朝倉先生によると、頭を支える役割を果たし固くなると首・肩こりの原因になる胸鎖乳突筋という筋肉を伸ばす目的では、このグッズは効果があるそう。ただしよく宣伝文句で書かれている頸椎の牽引効果については、首周りの部分を引っ張る力が弱く、また引っ張る方向が間違っている可能性も高いため、首をかしげていました。

また推奨時間を超えて使用すると、首の後ろにある後頭神経に神経障害が現れ痛みを感じるため要注意!適正時間を守って使用するよう心がけましょう。

フォームローラー

筋肉と内臓をつなげる役割がある筋膜の滑りをよくすることで、痛みやこりの改善に役立つフォームローラー。特に脚や背中など大きな部位をほぐすのに役立ち、筆者と朝倉先生のお宅にもある大人気グッズです。

フォームローラーを使う際の注意点は、対象の部位を圧迫しすぎないように気を付けること!適切な強さを守れば、筋肉を傷めずに筋膜の滑走性を改善することができます。

マッサージガン

アプローチ方法は違いますが、フォームローラーと同じく筋膜の滑りをよくする効果があるマッサージガンは、病院やクリニックでも使われるアイテムです。どの姿勢でも使用できるためとても便利ですが、首など浅い位置に神経がある部位に長時間高い強度で当て続けるのはNG!十分注意して使いましょう。

指圧器

自分の手で直接触ることができない、背中の局所的な部位に圧を与えられる指圧器。

圧を与え疲労物質が流れることで血液循環を改善させることができます。朝倉先生によると指圧器はそれほど危険性が高いグッズではありませんが、圧を与える強さと部位を自分で調整するのが難しいため効果にも疑問があるとのこと。ちょうど気持ちいいくらいの強さで、適切な部位に使用しましょう!

トレーニングチューブ

両手で持ち伸ばすことで、ストレッチも筋力トレーニングもできる優れもの。医療機関でのリハビリにもよく使用されています。固いチューブであればアウターマッスル(大きな力を出すときに使う比較的体の表層にある筋肉)、やわらかいチューブであればインナーマッスル(関節を安定させる働きを持つ体の深部にある小さな筋肉)に効果があるため、自分に合った固さのチューブを使い分け、適切な負荷をかけるのがポイント。力を入れてトレーニングを行うグッズなので、血圧が高めの方は注意して使用しましょう。

骨盤サポート用ベルト

骨盤サポート用ベルトは外から圧力をかけることで骨盤周りの正しい姿勢を保ち、腰痛改善などに効果をもたらします。デスクワークなどで腰に負荷がかかる生活を送る方に人気のアイテムですが、朝倉先生によるとこれに頼りすぎることで本来姿勢を保つために必要な腹筋の力が弱まるため、長時間の使用はNGだそう。あくまでも補助的な使用を心がけ、意識的につけない時間をつくりましょう。

低周波治療器

周波数1,000Hz以下の電気刺激を加えて筋肉にアプローチし、こりの解消や疲労回復、血行促進に効果がある低周波治療器。病院・クリニックで使用されるだけでなく近年は家庭用も急速に普及しており、コリや痛みがある方、スポーツをする方など幅広いニーズに対応する今注目のグッズです。商品によっては得られる効果が初心者にもわかりやすいモード選択可能なものもあるため、目的に合わせて活用しましょう。また皮膚の感覚障害がある方、捻挫や肉離れなど急性疾患を発症している方は使用できないなどの禁止事項もありますので、必ず説明書を読んでから使用しましょう。

まとめ

適切に使用することで手軽に効果が得られるセルフケアグッズですが、あくまでもセルフコンディショニングの一環で効果は限定的なので過信は禁物!「医療者が患者さんの状態を把握し、病院用の医療機器等を使用して行う病院やクリニックの治療とは別物だと理解してほしい」と朝倉先生も念を押されていました。また一般的には健康に役立つグッズでも、自分の体の状態に合っていなければ逆効果です。基礎疾患がある方をはじめ、使用に不安があれば必ず専門家に相談を仰ぎましょう。

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