【密着レポート】縁の下の力持ち──スポーツトレーナーの1日

スポーツトレーナーってどんな仕事をしているの?
実際に現場で働くと、どんな1日を過ごすの?
そんな疑問を持つあなたに向けて、トップウェストAリーグに所属するラグビーチーム『JR西日本ラグビー部 レイラーズ』で活躍するスポーツトレーナー・宮武さんの1日に密着しました。
グラウンドで輝く選手たちを支え続けるスポーツトレーナーの、リアルな仕事内容ややりがいをご紹介します。

今回お話をお伺いした人

森ノ宮医療大学 医療技術学部鍼灸学科 講師/鍼灸師 宮武 大貴 先生

鍼灸師国家試験合格後、新卒で整形外科に就職。リハビリテーション科副主任、鍼灸室主任を2年間経験。恩師の勧めもあり、2009年に大阪医療技術学園専門学校 東洋医療技術教員養成学科 専門士(医療専門課程)を取得後、滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 医療安全管理学専攻(修士課程)を修了。2016年4月、JR西日本ラグビー部レイラーズと契約。2021年4月より現職。

朝から晩まで!スポーツトレーナーの仕事に密着

12:30|準備

取材当日、チームは15:00から練習を行う予定ですが、宮武さんは12:30には練習場に到着し、用具の準備からスタート。
練習で使うビブスなどを整え、選手たちのために水とスポーツ飲料、さらに練習後に飲むプロテインも、個別のボトルに準備していきます。

暑い季節には特に熱中症対策が重要。レイラーズではここ数年、熱中症による離脱が出ていないそうですが、こうした実績は宮武さんたちトレーナーチームの細やかな準備の賜物です。

 

13:00|トレーナールームでのケア対応

準備が終わると、トレーナールームで選手たちのケアを開始。続々と選手が訪れます。
PCで管理している選手一人ひとりの状態は、頭の中にしっかりインプット済み。それぞれのコンディションに応じて、素早く最適なサポートを施していきます。


足首や太ももなどへのテーピングはもちろん、ストレッチ・カッピング(吸い玉/下の写真左)・鍼(はり)など、あらゆる手技を駆使して身体を整えます。
「宮武さん!」と次々に声がかかる光景は、選手たちからの絶大な信頼を感じさせます。

 

14:45|ウエイトトレーニング

決められたメニューをこなしている選手たちの様子を見守りながら、ケガをしないよう声かけを行います。

加速度計を使って、トレーニング中のパフォーマンスもリアルタイムでチェック。
この日は選手たちの誘いで宮武さんも測定に参加。しっかり記録を出して、選手たちを驚かせていました。

 

15:20|チームミーティング

主に戦術の確認が行われるため出番は少ないですが、時には選手たちにコンディション面での注意を促すこともあるそう。

 

15:45|グラウンド練習

練習中も、ドリンクや用具の管理をしながら、選手の体調を常に観察します。
ラグビーはコンタクトが激しいため、練習中でも一瞬たりとも気が抜けません。様子のおかしい選手がいないか目を配り、ケガが発生すれば即座にテーピングや止血などの応急処置を行います。

また、選手たちにGPSを装着してもらい、最高速度や運動量をリアルタイムで計測。
データをその場でフィードバックすることで、選手のモチベーションアップにもつなげています。

 

18:15|練習終了

すぐに用具を片付け、シャワー後に集まる選手たちのケア対応へ。
一人ひとりの状態を確かめながら丁寧にケアを施し、コンディションの変化はPCに細かく記録。こうした地道な積み重ねが、選手のパフォーマンスを支えています。

この日はサプライズで、誕生日を迎えた宮武さんが選手たちに祝福される場面も。

愛されていますね

 

19:30|業務終了

最後の選手が帰り、今日の業務は終了。
練習後に自主トレーニングをする選手がいる日には、その後のケアを担当することもあるそうです。

チームから信頼される存在

宮武さんたちトレーナーについて監督の藤原さんに話を伺うと、
「以前はトレーナーがいなかったため、選手が自己判断でコンディション管理をしていた。今は宮武さんたちがいることで、科学的なデータに基づいて限界ギリギリのところまで選手を追い込めるようになったので、トレーニング効果がまったく違う。」と語ってくれました。


また、試合中にケガをした際、プレー続行の可否を冷静に判断できる存在としても、トレーナーの重要性を強く感じているとのこと。宮武さんたちトレーナーは、チームに欠かせない存在になっています。

宮武さんから、未来のトレーナーへ

「ラグビーはとにかく、いろいろなケガが起こるので大変。でも、その分やりがいも大きい」と語る宮武さん。
現在は3名のトレーナーで約35名の選手を支えていますが、そういった背景もあり多くの選手にケアが必要で、長時間労働になる日も多いそうです。
それでも「チームが勝つことに貢献できるのが何より嬉しい」と語り、レイラーズに対しても「必要な道具を揃えてくれる環境に感謝している」と、充実した活動ができていることを感じさせてくれました。

未来のトレーナーを育成するためにインターン生の指導も担当。
後進の育成にも力を注いでいます。

選手の背中を押し続ける、縁の下の力持ち。宮武さんの姿は、スポーツトレーナーをめざすみなさんにとって、大きな目標になったのではないでしょうか。JR西日本ラグビー部 レイラーズの活躍とともに、宮武さんの活躍からも目が離せませんね!

(取材協力)JR西日本ラグビー部 レイラーズ

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森ノ宮医療大学 医療技術学部 鍼灸学科アスレティックトレーナーコース

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