冬になると乾燥により「肌がカサカサする」「粉をふく」「手が荒れる」といった悩みが増えます。放っておくと皮膚炎や湿疹にまで進んでしまうこともあり、場合によっては皮膚科を受診することが望ましいケースも。今回は肌が乾燥する要因から受診が必要なサインまで、皮膚科の先生にお伺いしました。
今回、お話をお伺いした先生
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地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 皮膚科 主任部長 大畑千佳 先生
大阪大学医学部を卒業。専門は乾癬、皮膚病理、自己免疫性水疱症。市立池田病院や久留米大学などの勤務を経て、2020年4月より現職。
冬に乾燥する理由
冬場に乾燥する要因は、冬ならではの環境のためです。空気自体が乾燥している上、暖房をつけることで室内の湿度はさらに下がります。皮膚は皮脂膜や角質層によって水分を保持し、外からの刺激やアレルゲン、異物の侵入を防いでいますが、湿度が下がるとこれらのバリア機能が弱まり、水分をキープできなくなります。特に、年齢を重ねるほど皮脂の分泌機能が落ちることもあり、高齢者の方では乾燥が深刻になりがちです。
また、冬は気温が低く血流が悪くなりやすいです。血液の巡りがよいと、汗も出やすく湿度が保たれますが、血行不良の状態であると汗も出にくく乾燥が進みやすくなります。 ![]()
日常生活に潜む乾燥の要因となるもの
肌を乾燥させる要因は、環境だけではありません。たとえば、
・手洗いの回数が多い
・水仕事
・アルコール消毒
・ゴシゴシこする、かきむしる等
これらはすべて皮脂を奪って角質層を傷つける、肌に負担をかける原因になります。手を洗うことは衛生面で必要でありながらも、乾燥につながることは否定できません。また、コロナ禍ではアルコール消毒を行う回数が増加したことにより手荒れに悩む人が急増しました。
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乾燥が進むとどうなる?
乾燥が進むとかゆみが出るケースがあります。かゆみを我慢できずかいてしまうと、皮膚が傷つき湿疹に発展します。無意識にかきむしることで、赤みやブツブツができる乾燥性湿疹になることも。このような状態になったときには皮膚科の受診をおすすめします。
また、冬場に手があかぎれになる方は皮膚炎が生じている状態です。乾燥しているだけでなく湿疹が生じているため、皮膚科を受診することが望ましいです。ひどいときには手が真っ赤になるため、炎症を抑えるステロイド薬などで治療を行います。
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自宅でできる乾燥対策
・部屋の中の湿度を上げる
目安は50~60%です。目覚まし時計に湿度が表示されているものもあります。室内にいるときは加湿器を使用する等、乾燥しないようにしましょう。(筆者はタオルを濡らし、部屋にハンガーでぶら下げています。)
・身体の洗い方を見直す
身体を洗うときには肌をゴシゴシこすらないようにしましょう。ナイロンタオルは強くこすると角質をはがしてしまうケースもあります。泡でなでるように洗うのが望ましいです。
・お風呂はぬるめの温度で長湯しすぎないこと
身体をあたため血流をよくすることは大切です。しかし、長湯しすぎると、肌の油分が流れやすく乾燥の元になります。熱すぎないお湯(38~40℃程度)で、長湯しすぎない程度にしましょう。
・手は洗うたびに保湿
塗りすぎて悪いことはないそうなので、手洗い後に都度、保湿クリームを付けましょう。ベタつくと手を使いづらくなるため、生活がしづらくならない程度にこまめに塗りましょう。大畑先生も手を洗われた後には、必ず保湿クリームをご使用されているそうですよ。
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乾燥やお肌について、素朴な疑問を伺ってみました
・冬場でも鼻のテカリが気になるのですが、これはどうしてでしょうか?
皮脂腺の量は、部位ごとに異なります。鼻は非常に皮脂腺が多いため、冬場でも乾燥しにくいです。皮脂腺が多いのは顔と頭、少ないのは肘、踵(かかと)です。
・踵を角質取りでゴシゴシするのは、よくないですか?
踵は角質が頑丈にできているため、さほどダメージはありません。ただし、何事もやりすぎは禁物です。
・乾燥の観点で、食事で気を付けた方がよいことはありますか?
栄養バランスよく食べること。また、乾燥が気になる方は、アルコールを飲むとかゆみが増すため、その点は注意した方がよいといえますね。
まとめ
乾燥は「冬だから仕方ないもの」と思われがちですが、部屋の湿度を適切に保つことや身体の洗い方など、毎日のちょっとした工夫で改善します。日常生活を少し見直して、この冬は乾燥トラブル知らずの肌で過ごしましょう。
地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター
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1955年1月、11の診療科、病床数330の「大阪府立病院」として開院。2003年10月、病院名を「大阪府立急性期・総合医療センター」に変更。2006年4月、地方独立行政法人大阪府立病院機構設立に伴い、大阪府から事業移行し、現在に至る。各種センターの開設等、高度な専門医療が提供できる環境を整え、多様化するニーズに応えている。2010年からは森ノ宮医療大学と連携協定を締結し、高度な医療・医学教育を共有し、保健医療・看護・健康増進・福祉等にかかわる地域課題に積極的に取り組んでいる。
所在地 | 大阪市住吉区万代東3丁目1番56号
病床数 | 865床
診療科 | 総合内科・感染症科、呼吸器内科、消化器内科、心臓内科、糖尿病内分泌内科、腎臓・高血圧内科、脳神経内科、免疫リウマチ科、血液・腫瘍内科、小児科、新生児科、精神科、皮膚科、消化器外科、乳腺外科、小児外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、産科、婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、形成外科、歯科口腔外科
急性期医療部門 | 救急センター(TCU)、脳卒中センター(SCU)、心臓血管センター(CCU)、救急初期診療センター(ER部)、小児医療センター(NICU・GCU)、四肢外傷治療センター
高度医療センター | 腫瘍センター、消化器内視鏡センター、肝がん治療センター、糖尿病・生活習慣病センター、腎移植センター、大阪難病医療情報センター、パーキンソン病治療センター、関節リウマチ・バイオサポートセンター、乳がん治療・乳房再建センター、低侵襲心血管治療センター、人工関節センター、子宮筋腫治療センター、子宮脱治療センター、前立腺がん治療センター、IVRセンター、PET核医学センター、遺伝診療センター、生殖医療センター、総合リハビリテーションセンター
大阪急性期・総合医療センターwebサイト
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【この記事を書いた人】
はくまい
美味しいごはん(とお酒)が大好き!ごはんのために働き、ごはんのために眠る!!今日もカロリーと幸せを噛みしめ、数字より気持ちで生きる30代おなご。
