世のビール好きのみなさんに朗報です。「ビールを飲んで健康に」をスローガンに生まれた、管理栄養士を養成する相愛大学が監修したユニークなビール、それがサボテンビールです。ビールと健康、一見相反するように思えますが、この新感覚ビールは、ビタミンCやカルシウム・カリウムなどのミネラルなどが含まれ栄養価の高い、ウチワサボテンの実を使用することでヘルシーさを兼ね備えています。
本記事では、サボテンビールの特徴や開発秘話、そして健康への影響について、開発に携わった相愛大学の竹山先生・品川先生にお聞きしてきましたのでご紹介します。
今回お話をお聞きした方
相愛大学 人間発達学部 管理栄養学科 学科長・教授/管理栄養士 竹山 育子 先生(写真左)
大阪府立大学(現:大阪公立大学)大学院修了、病院管理栄養士を経験後、独立。大阪府立成人病センター研究所にて大腸がん予防の研究プロジェクトチームで研究活動をするとともに、開業栄養士としてクリニックでの栄養管理、栄養指導、地域活動として幼稚園から高校生、一般成人を対象とした栄養改善活動に取り組む。病院、内科クリニック、透析サテライトなどで生活習慣病、腎不全、難病の栄養指導に携わり、栄養管理の重要性を学ぶ。2012年より現職。
相愛大学 人間発達学部 管理栄養学科 博士(歯学)、相愛大学総合研究センター長・教授/品川 英朗 先生(写真右)
東京医科歯科大学(現:東京科学大学)歯学部卒業、同大学院医歯薬総合研究科で博士号(歯学)を取得。東京都老人総合研究所、イリノイ大学、メリーランド大学にて博士研究員として勤務した後、大阪大学招聘研究員、大阪府立大学(現:大阪公立大学)客員研究員、東大阪大学短期大学部准教授を経て、2016年4月より現職。専門は、顎顔面矯正学およびライフステージ栄養学。
関連リンク:相愛大学WEBサイト
サボテンビールとは?
サボテンビールは、その名の通り「ウチワサボテン」を使用したクラフトビールです。特に注目すべきは、その美しい赤い色をした実。
一般的なビールとは異なり、着色料を使わずに天然成分で鮮やかな赤色を実現しています。その実はメキシコなどでフルーツとして食べられることもあり、酸味のあるさっぱりとした味が特徴です。
レッドハリケーンズとのコラボビール
このビールは、プロラグビーチームである大阪レッドハリケーンズとのコラボビールとして開発され、スタジアムで飲むことができます。サボテンビールの赤色は、レッドハリケーンズのチームカラーと同じなので、スタジアムで観戦しながら飲んだりSNSに写真を掲載したりと、さまざまな楽しみ方があります。また、健康志向の方や新しいビールを楽しみたい方にとっては、季節を問わず楽しめる魅力的な選択肢となるでしょう。
スタジアムだけでなく、インターネットでも購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
なぜサボテン?その理由とは?
一般的に、ビールに色をつける場合、人工の着色料が使われることが多いですが、身体への影響を考慮し天然素材にこだわった結果、ウチワサボテンが採用されました。他にもザクロが候補にあがりましたが、独特の風味が強いため、よりクセの少ないウチワサボテンが適していたのです。
さらに、ウチワサボテンの実は現地でもあまり食品として消費されておらず、これを活用することで食品ロスの削減にも貢献しています。環境にも配慮したサスティナブルなビールという点も大きな魅力です。
色鮮やかなウチワサボテンの実
抗酸化作用で健康もサポート
ウチワサボテンには抗酸化作用があるベタレイン色素という成分が含まれています。抗酸化作用とは、体の酸化を防ぎ、シミやシワの原因となる「身体のサビつき」を抑える働きのこと。身近な食品では、お茶のカテキンや人参のベータカロテン、ブルーベリーのアントシアニンなどが同様の働きを持っています。
普段、化粧品などで外側からのケアを意識することは多いですが、食べ物で内側からケアすることも重要です。サボテンビールなら、美味しく飲みながら健康も意識できる、一石二鳥のドリンクといえるでしょう。
ビールの健康効果と適量とは?
「ビール=不健康」と思われがちですが、適量であれば健康をサポートする側面もあります。ビールに含まれるエタノールは、血流を促進し、リラックス効果をもたらします。ただし、飲みすぎると肝臓への負担が大きくなるため、適量を守ることが大切です(もちろん20歳を超えてから)。
一般的に、適量とされるエタノールの摂取量は、男性20㎎/日・女性はその半量程度と言われており、これは一般的なアルコール度4%程度のビールなら約500ml程度に相当します。
また、ビールをはじめ日本酒や焼酎などのアルコール飲料はカロリーが高め(約7kcal/g)であるため、同様に飲み過ぎには注意が必要です。
罪悪感なく楽しめるビールをめざして
サボテンビールの開発には管理栄養士が関わっています。その背景には「罪悪感なく楽しめるお酒を作りたい」という想いがありました。一般的に、アルコールやスイーツは健康的でないと考えられがちですが、管理栄養士の視点では「タブー視するのではなく、適度に楽しむことが大切」と考えています。
そのような観点から、アルコール飲料は高カロリーであるため、食事からのエネルギー摂取が難しい対象者に対し、前向きに摂取できるのであればアルコール飲料を薦めることもあるそうです。
また、栄養価が高いからといって、味が悪ければ継続して楽しめません。私も取材にあたり飲んでみましたが(勤務時間外です)、アロエのような苦みを想像していましたが全くそんなことはなく、とてもサッパリとして飲みやすかったです。サボテンビールは、栄養価と美味しさのバランスを追求した結果、生まれた新感覚ビールなのです。
パッケージもかわいい
まとめ
サボテンビールは、健康を意識しながら美味しく楽しめる、全く新しいビールです。
ちょっと変わったビールを飲んでみたい方、健康を意識しながらお酒を楽しみたい方は、ぜひサボテンビールを試してみてください!