年末年始は忘年会・新年会シーズン。ついついお酒を飲みすぎてしまう時期ですが、連日飲み会が続き体調を崩してしまう...なんてことにならないために、可能な限り対策をしていきましょう！
今回は、二日酔いを防止するためにお酒を飲む前・最中・後に摂取すべき食材や、次の日に残りにくい賢いお酒の飲み方について、薬剤師の永松さんにお話をきいてきました。特に薬剤師である永松さんご自身が実際に行っている二日酔い防止対策は必見です！
今回お話をお聞きした人
フォーユー薬局 南港店 店長/管理薬剤師 永松 卓 さん
徳島文理大学香川薬学部卒業。ハザマ薬局などで勤務し、調剤、在宅、OTC販売業務に従事。薬学ゼミナール認定薬剤師。公認スポーツファーマシスト。
フォーユー薬局 南港店/森ノ宮医療大学附属 大阪ベイクリニック
そもそもなぜ二日酔いになるの？
お酒に含まれるアルコールは、肝臓で分解されて有害なアセトアルデヒドという成分に変わり、そしてそれがさらに分解されて酢酸という成分になります。この2段階の分解を経て人間はアルコールを体外に排出していますが、アセトアルデヒドをうまく分解することができず、成分が血中に残ってしまうと吐き気や頭痛などの症状を催します。これが二日酔いのメカニズムです。
日本人はお酒に弱い人が多いといわれていますが、これはアセトアルデヒドを酢酸に変える分解酵素の働きが弱い人が多いためです。
飲み会の前・最中・後に摂取すべき食材について徹底解説！
つづいて本題であるアルコールを体に残さないために服用すべき食材について、解説していきます。
①お酒を飲む前におすすめの食べ物、飲み物
・ウコン
二日酔い予防といえば！なウコンは、クルクミンという成分が肝臓の働きを助けアルコールの分解を促します。ウコンが含まれた栄養ドリンクはコンビニエンスストアにも売られているため、飲み会前にも気軽に摂取することができます。
・スポーツドリンク
アルコールには利尿作用があり分解するためにも水分が必要であるため、お酒を飲むと脱水状態になりやすいです。また脱水状態に陥ることにより、ナトリウムやカリウムなどの電解質も失われやすくなります。このことを踏まえて、水分と電解質の両方が含まれているスポーツドリンクを飲酒前に摂取しておくとGOODです。
②お酒を飲んでいる最中におすすめの食べ物、飲み物
・枝豆
おつまみとして定番の枝豆にはビタミンCが多く含まれており、抗酸化作用で肝臓の働きを良くしてくれます。
・オクラ・納豆
ねばねばした成分が胃の粘膜を保護してくれます。食事の最初に食べるのがおすすめです。
・イカ・タコなどの魚介類
肝臓の機能を向上させるタウリンが豊富に含まれており、アルコールの分解を助けます。
③お酒を飲んだ後におすすめの食べ物、飲み物
・トマトジュース、オレンジジュース
アルコールの分解に使われる水分とビタミンを同時に摂取できるため、お酒を飲んだ後に買って帰りましょう！
・梅干し
梅干しに含まれているクエン酸が、アルコールによる疲労からの回復を助けます。
・卵かけごはん
肝臓の機能を高めるメチオニンが豊富に含まれる卵かけごはんは、飲み会の〆におすすめです。
次の日に残りにくい賢いお酒の飲み方って？
先ほどお伝えした食べ物・飲み物の活用と合わせて、飲み会で簡単に実践できる次の日にお酒を残さないための工夫についてもお伝えします。
①お酒を飲むときは必ずお水と一緒に！
お酒と一緒に同じ量のお水を飲むことで体内のアセトアルデヒドの濃度が下がり、二日酔いを防止することができます。
②最初の一杯は何か食べてから！
空腹状態でお酒を飲むと、アルコールが体内に吸収されやすくなります。できるだけ何かつまんでから最初の一杯を飲むようにしましょう.
最後に…永松さんおすすめの二日酔い防止法！
今回お話を伺った薬剤師の永松さんは、お酒を飲む前に漢方薬の五苓散（ごれいさん）を服用し、飲酒後にはトマトジュースを飲んでいるそう。五苓散には飲酒によって崩れやすい体内の電解質のバランスを整える効果があり、それにプラスしてトマトジュースを飲むと水分とビタミンを補給できるため、この組み合わせをチョイスしているとのことです。ここ数年二日酔いの症状が出ていない永松さんの対策を、皆さんも参考にしてみてくださいね。
まとめ
ここまでさまざまな二日酔い対策を紹介してきましたが、お酒の適量は人によってそれぞれ。自分に合った楽しみ方で飲み会シーズンを乗り切りましょう！
