あなたの運動をサポートする!家庭でできるセルフテーピング

みなさんは普段から運動をしていますか?筆者は社会人になってから運動する機会がめっきり減ってしまったのですが、それでも機会があれば体を動かすようにしています。学生の頃は意識しませんでしたが、この年になれば、運動を楽しむこと以外に、「怪我だけはしないようにしよう…」といった思いも。今回はそんな運動に縁のある皆さんにテーピングをご紹介!テーピングは怪我をした際に使用するものと思われがちですが、実はテープを貼る効果はさまざまで、怪我をしていなくても貼ることもあります。テーピングに詳しい岸上先生にその目的や、日常生活に役立つテーピングをお聞きしました。

今回お話をお聞きした人

森ノ宮医療学園専門学校 柔道整復学科 
岸上 知可 先生
森ノ宮医療学園専門学校柔道整復学科を卒業し柔道整復師免許を取得。約2年の整骨院勤務ののち2019年4月より現職。整骨院勤務時代や現在も本業の傍ら、スポーツトレーナーとしても活動しており主に中学・高校ラグビーのチーム帯同やトレーニング指導、応急処置に携わっている。

テーピングの目的

①    怪我の予防
捻挫や脱臼などの怪我は関節の可動域を超えることで起こります。テーピングで固定することで可動域を制限し怪我を予防します。運動やスポーツ種目によって怪我をしやすい部位が異なるため、種目や自身の状態に合わせてテーピングを行いましょう。

②    応急処置・怪我の悪化防止
怪我箇所を動かしてしまうと症状がさらに悪化するため、テーピングで患部を固定することで患部の安静を保つことができます 。ただし、怪我直後にきつすぎるテーピングを巻いてしまうと腫れの逃げ場が無くなり、循環障害や痛みの増加を引き起こします。腫れや痛みが強い場合や、明らかに変形などしている場合はすぐに医療機関を受診してください。

③    怪我の再発防止・不安感の軽減
一度怪我をした箇所は、痛みが無くなっても可動域の減少や筋力低下を起こしている可能性があります。その状態で以前と同じような運動をすると、動きや負荷に耐えられず怪我が再発するおそれがあります。また、靭帯などには地面の状態や関節の位置などを察知するセンサーがあり、これらも損傷を受けている場合があります。不安定な地面やスポーツ時にはこのセンサーが上手く作動しなくなり同じ箇所の怪我を繰り返してしまう場合も。テーピングを行うことで、対象部位を固定・サポートし再発を防止します。また再発に不安を持っている人にとってはテーピング箇所が安定することで安心感が生まれ精神的な心の支えになることも。さらに使用するテープの種類によってはパフォーマンスの向上や体への負担軽減も期待できます。

テーピングの種類

テーピングで使用するテープは大きく2種類あります。目的に応じて使い分けましょう。

非伸縮性テープ
目的:しっかりと部位を固定したい。
メリット:伸縮性がないため固定力が強い。
デメリット:伸縮性がないためシワなくキレイに巻くのには技術が必要。

伸縮性テープ
目的:部位を固定しつつ、ある程度自由に動かしたい
メリット:伸び縮みするので自由が効く。固定力を調節できる。非伸縮テープより巻きやすい。
デメリット:引っ張れば引っ張るほど、強いテンションがかかるため力加減が難しい。非伸縮テープより固定力が劣る。また粘着力も若干劣るため、激しい動きを繰り返すと取れやすくなる。

テーピングの注意点

① 巻く強さ
巻く強さは「きつすぎず弱すぎず」がポイントです。きつすぎると血行障害や神経障害が生じ、弱すぎると固定ができずテーピング効果が弱まってしまいます。テーピング後は固定感があるか、うっ血やしびれがないかチェックしましょう。

② 時間
運動をすると動きや汗でテーピングが緩くなったり、皮膚が弱い人だとそれらの影響で肌トラブルを起こしやすくなったりします。テープの種類にもよりますが、基本的には2~4時間程度で外すようにしましょう。またテープの素材や粘着成分でかぶれてしまう可能性もあるため、かゆみや痛みが出てきたら我慢せず外すようにしましょう。

③ シワやたるみ
巻く際にシワやたるみができるとテーピング効果が損なわれるだけでなく、痛みや肌トラブルの原因にもつながります。

自宅できるテーピングをご紹介!

【1】フィギアエイト(左足首を巻く場合)
使用場面:足首の関節全体を安定させたい。歩ける走れる程度の捻挫や予防に。
① 外側くるぶし上部からスタートし、足の甲を通す。
② 足裏を通し、外側へ持っていく。
③ 足の甲でクロスするように、内側くるぶしに向けて引き上げる
④ 足首に巻き、スタート位置に戻ればテープを切る
〇ポイント
・巻く際は足首の角度は90°(医療的には底背屈0°)を必ずキープ。
・強度を上げたければ、同じ箇所を2~3重に巻くか、非伸縮テープで巻く。
・テープの角を丸く切ることで、はがれにくくなる。

【2】Ⅹサポート
使用場面:軽い突き指や予防に
① 固定したい関節の上と下にそれぞれテープを1周巻く。
② 指先側から付け根方向へ向けて斜めに貼る
③ ②にクロスするよう指先側から付け根方向へ向けて斜めに貼る
④ 指先側から付け根方向へ向けてまっすぐ貼る
⑤ もう一度①と同じように、関節の上と下にそれぞれテープを1周巻く。
〇ポイント
・Xの交点は固定したい関節の上に来るように巻きましょう。

【体験レポート】
先生に教えてもらいながら2つのテーピングに挑戦!テーピングは難しいものかと思っていましたが、2つとも簡単に巻くことができ、しっかりと固定感を感じられました。筆者は子どもの頃に足首を怪我して以降、すっかり捻り癖がついてしまったのですが、これなら足を心配せずに思い切って運動ができそうです。

まとめ

テーピングは怪我をした際だけでなく、関節のサポートや痛みの軽減、怪我予防など、様々な目的で使用されます。しかしながら、テープにばかり頼っていると筋力が低下してしまう可能性もあり、怪我予防に必要な筋力をつけることや、病院や整骨院で診てもらうことも大切です。運動する人はもちろんのこと、関節に不安のある人や、痛みを軽減したい人など、自身の用途に合わせて上手に活用してみてくださいね。

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