新年あけましておめでとうございます。2025年が始まりましたね。読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。お正月は家でまったりテレビを見て、おせちやお雑煮を食べて「あぁ幸せ」。そんな時間を過ごされたのでは?筆者も食べて寝ての生活を繰り返していたら、なんとお腹がぽっこり…。新年早々ダイエットを決意しました。今回はそんなお正月マジックにかかってしまった皆さんへ、脂肪燃焼しやすい体を作る!簡単ストレッチをご紹介します。
今回お話をお聞きした人
森ノ宮医療学園専門学校 柔道整復学科
学科長 外林 大輔 先生
順天堂大学スポーツ健康科学部卒業後、森ノ宮医療学園専門学校で柔道整復師免許を取得。その後、大阪公立大学大学院医学研究科修士課程修了。大阪成蹊大学教育学部保健体育教育コース准教授を経て、2024年4月森ノ宮医療学園専門学校柔道整復学科長、スポーツ臨床センター長に就任。柔道整復師、中高教諭一種教員免許(保健体育)、調理師。現場で使えるパフォーマンス向上とケガの予防に向けたコンディショニングの研究に従事。
ストレッチで燃焼?
ストレッチをすることで脂肪燃焼しやすくなる、と聞くと少しイメージがわきづらいかもしれませんがストレッチで固まった筋肉をほぐすことで、運動やトレーニング時の消費エネルギーを増加させることができます。例えば、股関節が固いと歩幅が狭くなってしまいますが、ストレッチにより可動域を広げることで、歩幅が広がったり歩行スピードが向上したりして、その分エネルギーを燃焼できます。またその他の効果として血流が改善し代謝が上がったり、姿勢がよくなったりします。ぽっこりお腹は姿勢不良で起こることが多く、体を支えるためのお腹などの筋肉が硬くなったり弱くなったりすることで使えなくなっています。ストレッチをすることで普段使っていない筋肉を動かし、燃焼しやすい体を作りましょう!
教えて先生!ストレッチのあれこれ
Qいつ行ったらいい?
運動の際、燃焼効果を上げたいなら運動直前にするのがおすすめですが、ストレッチはいつ行っても効果が感じられるため、時間があるとき、したいときに行うのがベストです。また、血流改善やリラックス効果など、ストレッチから得られる効果は様々ですので、自分の目的に応じて行うのがいいですね。
Q強さは?
力加減は気持ちいい程度で行うのが適切。痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、かえって筋肉が緊張してしまうため、呼吸をしながらリラックスして行いましょう。
Q回数は?
ストレッチによって様々ですが、だいたい3~5セットで効果が出てきます。
Qストレッチの時間は?
20~30秒伸ばしましょう。筋肉は伸ばされると反射的に収縮しようとする力(伸張反射)が働くため、ストレッチをはじめて20秒間ほどはこれにより筋肉が硬くなってしまいます。20~30秒ほど伸ばすことで反射に抑制がかかり筋肉が緩みます。ストレッチをしているのに効果が出ないという人は一度時間を見直してみてください。
脂肪燃焼しやすい体に!簡単ストレッチ!
【1】歩行ポーズストレッチ① ※左を伸ばす場合
伸びている箇所:大腿前面の筋、体側の筋
① 右足を前に出し90度に曲げ、左足も90度に曲げる。
② 左手を上にあげる。
③ 右手を左骨盤に当て、体が捻じれないようにおさえる。
④ 体を右に倒し、20~30秒キープする。(反対も同じように行う)
〇ポイント
・左膝は床につかないようにし、右のお尻の筋肉でしっかり支える。
・左骨盤が前に出ないようにしっかりおさえ、体は真正面を向く。
・後ろに足を伸ばしている側の股関節の付け根が伸びていることを意識する。
【2】歩行ポーズストレッチ②(【1】のストレッチが難しい場合)※右を伸ばす場合
伸びている箇所:大腿前面の筋
① 横向きで寝る
② 左手は上にあげ、左足は前に出して90度に曲げる
③ 右膝を後ろに曲げ、足首を右手でつかみ、膝を後ろに引く。20~30秒キープする。(反対も同じように行う)
〇ポイント
・右足は膝を曲げることよりも膝を後ろに引くことを意識する。
・無理に伸ばすことで腰が反らないように注意する。
【3】大の字ストレッチ ※右を伸ばす場合
伸びている箇所:大腿前面の筋、腰部の筋、胸部の筋
① うつ伏せになり、両手を大きく真横にひらく
② 右足を上げ、そのまま左側にもっていき20~30秒キープする。(反対も同じように行う)
〇ポイント
・胸が床から離れないようにする
・右の股関節から腰部、脇腹から胸部にかけて伸びていることを意識する。
【4】上体ひねりストレッチ ※右を伸ばす場合
伸びている箇所:お尻・腰部、背中の筋
① 仰向けになり、右膝を軽く曲げる
② 左足を右膝の上にのせ、倒す。
③ そのまま倒した方向に体を回し、うつ伏せになる。
④ 両腕で体を支えながら、20~30秒キープする。(反対も同じように行う)
〇ポイント
・体が一直線になるようにする
・右の腰から背中部にかけて伸びていることを意識する。
【体験レポート】~学生と職員に体験してもらいました~
学生と職員がストレッチに挑戦!男子学生2名は体が硬いとのことで、ストレッチ中も苦悶の表情…。ポーズを維持するだけで息を切らしていました。「維持するのが難しかった。柔軟性だけでなく意外と筋力も必要だったのでしんどかったです。でもすごく効くのでまた家でもやってみます!」とのことでした。職員はすべてのストレッチを体験。体は硬いほうとのことでしたが、姿勢をしっかりと維持し、気持ちよさそうに行っていました。「体がポカポカ温まりました。特に腰回りの筋肉は伸ばす機会がないので気持ちよかったです。これなら寝転んでできそうですね。」と、3名ともやり終えた後はすっきりした様子でした。
最後に~外林先生からのメッセージ~
今回は体のなかでも大きな筋肉(胸、腰、お尻等)を伸ばすストレッチをご紹介しました。特にお尻の筋肉は一番大きいので固まったままだと運動しても脂肪燃焼効果が低くなってしまいます。同じ運動をするにしても、ストレッチで代謝をあげたり、可動域を広げたりすることで、得られる効果が変わります。ぜひ今回紹介したストレッチを実践し、脂肪燃焼しやすい体づくりを目指してください。