皮膚の日特集~実年齢より若々しく見られたい!くすみってなに?~

2024.11.13

皆さんは11月12日がなんの日か知っていますか?実は「いいひふ」と読めることから皮膚の日に認定されています。今回はそんな皮膚(肌)に関するお悩みの一つ「くすみ」について美容医療に従事している松﨑先生にお話を伺いました。元気なのになぜかいつも疲れて見える。なんだか顔がどんよりしている?そんな肌悩みはくすみが原因かも。くすみ改善で自身の肌を見つめ直してみましょう。

今回お話をお聞きした人

森ノ宮医療大学 医療技術学部 診療放射線学科
教授 松﨑 伸介 先生
和歌山県立医科大学卒業後、大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了(博士)。大阪大学医学系研究科(連合小児発達学研究科兼任)准教授、トロント大学留学、和歌山県立医科大学医学部准教授を経て、2021年より森ノ宮医療大学教授・医療法人同仁会理事長に就任。創傷治癒・神経疾患を中心に国内外との共同研究を実施している。現職医師として地域医療に従事するとともにリセルクリニックでの美容医療に従事している。

くすみってなに?

肌本来の透明感や明るさ、艶が失われ肌が暗く見える状態のことをくすみといいます。これは経年劣化したプラスチックをイメージするとわかりやすいのですが、プラスチックって長年置いておくと透明感がなくなり白や黄色に濁りますよね。これが実際肌に起きている…と思ってください。くすんだ肌は顔色が悪く疲れて見え、ひどい時には実年齢より老けたと思われることもあります。

タイプ別 原因と対策

一言で「くすみ」といってもタイプは様々。改善を目指すなら、まずは自分のタイプを理解しましょう!

タイプ1:グレーくすみ
症状:肌がグレーっぽくくすむ。肌表面がゴワゴワしている。
原因:乾燥と角質肥厚。肌表面がざらざらになり凹凸ができることで、透過性が下がりくすんだ印象になります。またターンオーバーが乱れることで古い角質が蓄積し、くすみが生じてしまいます。
対策:保湿が必要なため、入浴後のスキンケアが大切です。また角質肥厚には古い角質を取り除きターンオーバーを整えるピーリングも効果的です。(肌が荒れる恐れもあるので自分に適したものを選びましょう)

タイプ2:青ぐすみ
症状:肌が青黒くくすむ
原因:冷えや疲れ、運動不足やストレスなどからくる血行不良。血流が悪いと肌に充分な栄養が届かず毛細血管が目立ってしまいます。
対策:生活習慣を改め、適度な運動や入浴、温かいものを飲むなど体を温め血行をよくしましょう。

タイプ3:赤ぐすみ
症状:顔全体的、また顔の一部分の赤みが強調される
原因:肌のバリア機能低下による炎症。また炎症が起こることで血管が拡張し、血液量が増えることで赤く透けてみえてしまいます。
対策:赤ぐすみの人の肌は敏感なため、スキンケアする際は優しく触ったり、敏感肌用のスキンケアやコスメを使用したりしましょう。(炎症がひどい場合は皮膚科を受診し適切な治療を受けてください。)

タイプ4:黄ぐすみ
症状:肌が黄色っぽくくすむ
原因:糖分の過剰摂取による肌の「糖化」。これは体内のたんぱく質と余分な糖質が結びつくことで、黄褐色の物質(AGEs)に変化することにより起こります。糖化はよく「肌がこげる」と表現されることもあり、肌の老化にもつながります。
対策:糖分の過剰摂取を避け、栄養バランスのよい食事をとりましょう。砂糖はもちろんのこと、炭水化物を多く含む食品は糖分も多いので気を付けてください。

タイプ5:茶ぐすみ
症状:肌が茶色っぽくくすむ
原因:紫外線や摩擦などの刺激によって生成されるメラニン色素(表皮に存在するメラノサイトから分泌される)。本来ターンオーバーによってメラニンが蓄積した角質ははがれるのですが、これが遅かったり、過剰にメラニンが生成されたりすると、くすみだけでなくシミもできてしまいます。
対策:メラニンが生成されないよう刺激を与えないことが大切です。特に日焼けは肌への刺激が強いため、日焼け止めや日傘などで紫外線対策をしましょう。洗顔やスキンケア時に強く擦るのもよくありません。またターンオーバーの周期を整えることで肌が入れ替わり、くすみも改善されるため、生活習慣の改善や保湿も大切です。

※気になる人はプラスα~くすみに効果的な成分~
くすみが気になる人はこの3つの成分を足してみるのもおすすめです。

ビタミンE:血行をよくすることで皮膚のターンオーバーを改善します。
方法:サプリメント、スキンケア(美容液等)

ビタミンC:抗酸化作用による毛穴の黒ずみ抑制効果だけではなく、既にできたシミの色を薄くする、さらにメラニンの生成を抑えることでシミを予防します。水溶性ビタミンのため体外に排出されやすいので高濃度のビタミンCがおすすめですが、過剰摂取はご注意ください(医師にご相談ください)。 
方法:サプリメント、スキンケア(美容液等)、美容点滴

トラネキサム酸:メラニンの生成を抑える。抗炎症作用がある。(ただ止血剤としても効果があるので血栓ができやすい。高濃度のものや長期服用は注意が必要。)
方法:内服薬、スキンケア(美容液等)、美容点滴

まとめ

松﨑先生いわく、くすみタイプは様々ですが改善するならまず生活習慣を見直してみてほしいとのこと。まずは、肌のための基本的な習慣として、紫外線対策や保湿、摩擦のない優しい洗顔を実践しましょう。また栄養バランスの摂れた食事や適度な運動、入浴、そして十分な睡眠をとることも大切です。即効性はありませんが、これらを実践することで健康的な肌をつくる土台ができあがります。残念ながら肌は加齢とともに老化していきます。しかしこの土台を整えることで、くすみにくい肌を維持できるようになります。ぜひ、皮膚の日をきっかけに自身の肌を見つめてみてください。

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