体を作る栄養素~理解すればあなたも理想の体型に? ~

「ミネラル、食物繊維たっぷり!」食品のこんなキャッチコピーを目にしてつい手を伸ばしてしまいがちな筆者。栄養が体にいいとは知っているけれど、実際何がいいのかわからない。そんな人は多いはずです。今回は栄養学に詳しい南方先生にお話を伺いその疑問にせまります。栄養の知識を味方につければ、体を上手にコントロールできますよ。

今回お話をお聞きした人

森ノ宮医療学園専門学校 鍼灸学科 南方 克之 先生
和歌山県立医科大学大学院 医学研究科(現:大学院医学薬学総合研究科)博士課程修了(医学)。2010年4月より現職。鍼灸師、柔道整復師、健康食品管理士、NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)パーソナルフィットネストレーナー。

知っていますか?6大栄養素

「6大栄養素」という言葉を知っていますか。体をつくりエネルギーの源となる「糖質、脂質、タンパク質」が3大栄養素、これに体の調子を整える「ビタミン、ミネラル、食物繊維」が加わり、6大栄養素といわれています。これらは主に食べ物から摂取することができ、皆さんが健康で生き生きとした生活を送れるのは、この6つの栄養素が働いているからなんです。それぞれの栄養素のはたらきや、多く含まれる食品は下図をご覧ください。

実際、栄養って足りているの?

現代の日本人(成人:18~65歳)の栄養摂取率は平均的にみると基準値を満たしています。つまり栄養がきちんと摂れている人が多いんですね。ただ、その中でも年代や人によっては不足しがちな栄養素ってあるんです。不足しているからといってすぐに病気になるというわけではないですが、意識して摂取しないと、のちに生活習慣病や体の不調に繋がります。

不足にも気を付けなければなりませんが、もっと注意してほしいのは、過剰摂取です。
特に若い世代は、脂質とミネラル(塩分)を過剰に摂取しています。これはファストフードやコンビニ飯、また外食の影響を受けています。これらは濃い味付け(塩分)のものが多く、ファストフードやメイン料理には脂質が多く含まれています。外食時にそういった料理をさけ、調節できればいいですが、実際難しいですよね…。過剰摂取を続けると生活習慣病を引き起こし、肥満体質になりかねません。おいしいからといって毎日とるのは控えましょう。
私たちの身体はバランスよく必要な量の栄養素を摂ることで、免疫力が上がり、疲労感を感じにくくなります。美容面でいえば肌の調子がよくなり、腸内環境が整うことで便秘も解消されます。また気持ちが落ち込みにくくなるなど、精神面に対する効果もあります。必要な栄養素を摂り、なおかつ効率よくエネルギー源として使うことが必要です。

痩せたいなら燃焼のメカニズムを知るべし

痩せたいからといって偏った食事をしていても健康的に痩せることはできません。体内の脂肪を燃やすには6大栄養素が互いに連動する必要があります。この様子は、かまどをイメージするとわかりやすいです。かまどそのものを構成するのがタンパク質、原料になる薪は糖質と脂質。燃やすための道具(マッチ)がビタミン、ミネラル。食物繊維が燃え残った灰を片付け、体をきれいにしてくれます。食生活が乱れると、これらのバランスが崩れ、うまく脂肪を燃やすことができず、エネルギーを作り出すことができなくなります。ダイエットなどを目的にする際は、これに留意し適切に管理する必要があります。

サプリメントを上手に摂取しよう

全ての栄養素をバランスの良い食事で摂取するのが理想ですが、一部が不足することもあるでしょう。南方先生によると、不足分はサプリメント(以下、サプリ)で補うのがいいとのこと。これは厚生労働省からも推奨されています。ただ、自分に何が足りないのかってわかりにくいですよね。サプリ選びに迷う人は「厚生労働省HP」や「国立健康・栄養研究所HP」に載っている健康食品の情報、それ以外にも「サプリメントの選び方」サイトがあるので参考にするのも1つの方法です。ただ実際に気になる症状がある場合や薬を服用中の方は、医師や栄養士に相談してください。

〈サプリを選ぶ基準?〉
近年、サプリはコンビニや薬局など、誰でも簡単に手に入れることができ、その種類の多さから選択に迷う人も多いはずです。そんな時はパッケージ表示をチェックしてみてください。
「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」この3つは国が審査、あるいは国への申請をした上で製造されているため、国基準の安全性や有効性が認められています。特に、「トクホ」とも呼ばれる特定保健用食品は症状に効くという機能面の表記がされています。あとの2つは栄養成分の表記のみで、症状等の表記はありません。一概にパッケージにこの表示があるからいいサプリだといえるわけではありませんが、1つの判断材料になるはずです。

まとめ

日本はありがたいことに基本的には栄養素は充足しています。求めれば食事もサプリメントも手に入る環境です。しかし、今の食生活は数年後の自分の身体に影響を及ぼします。若いからといって暴飲暴食を繰り返したり、過度なダイエット等により栄養が不足したりすると、のちに生活習慣病になりかねません。また、女性は閉経後、骨粗鬆症になりやすいということもいわれています。「今大丈夫だから」ではなく、未来の自分のために、栄養バランスを考えた食事の仕方や、サプリメントの活用を考えてみるのもいいのではないでしょうか。

記事をShareする!

  • X
  • Facebook
  • Line

関連記事

記事一覧に戻る